畑を買う方法
ずいぶんとご無沙汰してしまいました。
最近、以前書きました2回目の山(畑)の購入のため、色々とやることが多く
やっとそれが落ち着いたので、備忘も兼ねて、そしてこれから畑を購入する方に、少しでも役に立てばと経緯を書きたいと思います。
畑を購入するきっかけ
まず、どうして私が畑(山)を購入しようと思ったのか。
私の家族は現在、私・旦那・3人の息子の5人家族です。「あいファーム」は私が始めた家庭菜園の延長みたいなものなんですが、夫婦二人でコツコツとやっていました。
こうしていくなかで、旦那のほうに本格的に畑をやりたいという気持ちが芽生えたようです。
すでに所有していた山(名義は私の父のもの)は360坪ほどしかなく、この場所で生活していくだけの作物は採れないなと思い、じゃあもっと広い場所を探さないといけないねという話になり、場所探しが始まったわけです。
私も旦那も平日昼間は普通に仕事をしているので、生活に困るような状況ではありませんが、これから子供にも残せる仕事と考えた時に、奄美で果樹栽培を行っていくというのが私たち夫婦の決断になりました。
でもいきなり夫婦二人で専業農家というのはかなり勇気が入りますので、当分は私は仕事をしながら、旦那が専業(になるか兼業になるか)という形でやっていこうという話になりました。
畑探し
これはあまり参考にならないと思いますが、びっくりするくらいスムーズに見つかりました。
まず条件としては、まっさらな畑では果実が収穫できるまで時間がかかるので、現在果樹(奄美のみかんである「たんかん」)栽培をしていて、高齢や何らかの理由で手放したいという方がいるのではないかという予想の元、探し始めました。
そうしたらいらしゃったんですね~
その方は高齢で、なかなか畑にも行かなくなってしまったという方。
現在、たんかんの木が100本ほど植えられている場所です。
周りは他の農家の方の土地で、みなさんたんかんを中心に栽培しており、場所的には自宅からも近く最高の土地でした。
広さは16,000平方メートル・・・
ちょっと想像できない広さですよね
坪で言うと4,848坪・・・
広大です・・・
でもこれで半分なんです。
全体を購入するにはちょっと事情があり、今回は半分だけを購入することになりました。
でも半分でも相当ですよ
そして、この後実際に購入する為の色々なハードルがあるのはあまりわかっていませんでした~
まずは農業委員会へ
土地にはそれぞれ地目というのがあり、「畑」や「田」の場所は農地になります。
宅地などは売主と買主の契約で売買できますが、この農地はそうはいきません
まず、今回は現在果樹園として利用している農地をそのまま引き継ぎ、旦那が農業を行うという前提の取引になります。
(その他にも、今は果樹園だけどそこに家を建てたいという場合にはまた別の方法になります)
畑の取引は農地法という法律があり、この法律の第3条の中で、その法律に従って取引をしなければならいと決められています。
この順番がわかっていなかった私たちは、最初に借り入れの段取りを始めてしまいました
この借り入れの問合せをする中で、まずは農業委員会で売買の許可を取らなければならないことを知りました。
売主のおじいちゃんは、そんなのしなくていいんじゃないの?なんて軽く言っていたので、あまり考えていなかったんですが、調べたらやっぱり必要でした。
なので、売主の方と協力して、農業委員会に提出する書類を作り始めました
農業委員会へ提出する書類は、売主の方は土地の場所がわかる地図、土地の登記簿謄本が必要でした。
そして売主と旦那と共同で申請書を作成、そして旦那の方は「営農計画書」というのを準備します。
申請書と営農計画書が結構な労力が必要な書類です。
申請書は売主の方は、土地の場所など基本的なことを書くだけなのですが、買主の方は取得後の予定や、持っている農機具、周辺地域との関わりなどなど、色々書く場所があります。
営農計画書は、申請書とかなりかぶる部分もありますが、栽培作物を育てる為の流れなど、どのように栽培していくかを書いたりします。
そして書類が全部そろったら農業委員会へ提出です。
これは平日自由が利く売主の方にお任せ。
どこもそうだと思いますが、月に1回農業委員会の審査会みたいなのがあって、何日が締切りですみたいなのが決まっていて、それに合わせて提出します。
これを見逃していると、次は1ヵ月後になってしまうので注意です!
農業委員の方の聞き取り
農業委員会に申請書類を出すと、そのあとその地区を担当する農業委員のかたが実際に来て聞き取りがあります。
ここで、旦那は農家ではないので、どうして農業を始めようと思ったのかとか、取引の金額に間違いは無いかとか、単純に書類の確認みたいな感じを聞かれました。
来られた農業委員の方もたんかんの農家さんで、実際に畑も見てきていただいたようで、どのような問題があるかなども聞けてとても勉強になりました!
この聞き取りの翌日、審査会みたいなものがあり、審査会翌日には売主の方に連絡が行き、無事OKの返事をもらえました~
奄美市はこの審査会の議事録がホームページで公表されており、どんな感じで旦那の審査が行われたのかが掲載されているのですが、来ていただいた農業委員のかたがとてもいい感じで報告していただいていて、嬉しかったです!
購入のために借り入れ相談へ
長々なっていますね・・・
もう少しお付き合いくださいね
無事に農業委員会の許可をいただいたら次はこの土地を買うために借り入れです
金額は言えませんが貯金からポンと出せる金額ではなく、当然金融機関からの借り入れがなければ購入できない金額でした
で、この農地を購入するための借り入れですが、おそらく銀行では厳しいのではないでしょうか
農業をしたこともない、経営をしたこともない素人が急に農業をしたいからお金を貸してといっても説得力ありませんもんね・・・
そこでいいのが、日本全国に(おそらく)支店がある日本政策金融公庫です
ここは国の?金融機関みたいな感じで、事業をする方に、特に農業や漁業への貸し出しが手厚い感じです
奄美大島には、この支店はないのですが、同じような感じで融資をしてもらえる「奄美群島振興開発基金」という金融機関があります
融資内容はほぼ一緒でした
必要額の9割までの貸し出しでしたが、こちらで無事に審査が通り、購入する事が出来ました。
ここで驚いたことがあります
普通お金を借りると毎月の返済が始まると思うのですが、事業をされている方にとっては一般的なのかもしれませんが、据置期間というのがあり、簡単にいうと返済しなくてもいい期間(利息の支払いはあります)があるということ
さらに驚いたことは、返済は1年に1回でいいということ
これは奄美だけなのかもしれませんが、たんかんの収穫時期に1年分を返済するという事
もちろん1回分の返済額はとっても大きいのですが、収入がある時期になるので農業という事業にはぴったりの返済方法ではないでしょうか
登記
無事支払いも終わり、後は売主の名義から旦那である買主のへの名義変更です
ここは頑張れば自分でできそうでしたが、ここは司法書士さんにお願いしました
結構費用がかかりましたが、年末になりバタバタしている時期なのでスムーズに終わり、これはこれで必要経費でした
さてさて
次に農地を買う時の為に、自分の為に書いたような記事でしたが、もし他の方が畑を購入するときのヒントにでもなっていただけたら嬉しいです!
購入した畑の一部分です↑